練習を仕切る、とうことについて


とはいえ指揮者の先生はきちんとおいでいただいているので、本格的に技術指導や音楽指導をするというよりも(そんな実力もないし)、「練習を進行する」「みんなに楽しく練習してもらう」「効率的・効果的な練習をする」「練習の進行程度を管理する」というような役回り、つまり指揮者の先生やメンバーのみんながスムースに練習できる環境を整える、ということが中心になる。


このことはとても重要だと僕は考えていて、例えば練習中「10分休憩」といったときに、時間通りに始まるのか、始まらずずるずる15分休憩になってしまうのかでは、活動を積み重ねていくと随分差が出てくると思う。


合唱も当然瞬間芸術であり、時間の概念を含んでいる。「時間を守る」ということが活動に定着していると、メンバーも自然に時間を計算して余裕をもって動くようになり、活動はスムースに進む。


当たり前のことといえば当たり前のことだが、僕の知る限りではこのことをきちんと励行している合唱団は少ない。そのことはやはりメンバーの練習中の意識に何らかの変化を与えていると思う。


このような一見、演奏に直接関係のない部分が練習効果に与える影響は意外と大きく、しかし意外と意識されていない場合が多い。また逆に、時間をきちんと守ることができているだけでも、練習中の集中力は高まっていく。


一朝一夕に、というものではなくて、それを毎週の練習できちんと維持していったときに、だんだん効果があらわれてくる、という部分だがこの影響力は非常に大きい。「練習の進行」を仕切るといったときには、まずこのことからきちんと取り組んでみるべきだろう。