ガンツについて


みなさんは週間ヤングジャンプに好評連載中の「GANTS ガンツ」という漫画をご存知だろうか。独特な世界観における奇妙なストーリーを魅力的なキャラクターたちが駆け抜ける様を美しいタッチで見事に描く秀作である。私は以前からこの作品のファンで、ずっと連載を追いかけ読みつづけている。


   
   ↑男性の視点からして、美しい女性の象徴のようなキャラクター

この作者の作画の特徴として、女性キャラクターを極めて美しく魅力的に(それは顔立ちという意味でも、肉体的描写という意味合いにおいても)描くというものがあり、掲載雑誌の読者層を考えればそのことも人気に大きく影響はしているのだろう。


しかし私はそのような部分に特に関心を持つわけでもなく(週間漫画雑誌の女性キャラクターの作画に強く惹かれる27歳の男性がどれほどいるというのだろうか)、純粋にその作品世界やストーリーの展開、キャラクターの人間性、それらから提示されるさまざまなメタファーに心を惹かれた。


私とその作品との関係性に変化が生じたのは、作品が単行本でいうと9巻か10巻に差し掛かったあたりだ。その変化は、登場する一人の女性キャラクーに起因する。非常に奇妙な話だが、私はその女性キャラクターにとても強く心を惹かれた。恋に落ちたのかもしれない。漫画作品のキャラクターにそこまで強く心を惹かれるのは、およそ小学生以来のことだと思う。