小島多恵について


そのキャラクターは、作品の中では「あまり器量が良いわけでもなく、ぱっとしない、(高校の)クラスの中では低い立場にいる女生徒」として描かれている。そして主人公の男子生徒は、思いがけないきっかけ(ほとんど悪ふざけのようなもの)から、その女性徒と関係を持つようになる。


   
   ↑微妙にデッサンが狂っている多恵ちゃん。

前述のとおりこの作品の作者は女性の描写の技術がとても優れていて、ほとんどの女性キャラクターは有り得ないくらい美しく描かれている。そして比較の問題もあるのだろうが、小島多恵の「あまりかわくないさま」もとても上手く描けていると思う。


当然、主人公の男子生徒も小島多恵に対してはじめ抵抗を感じる。しかし様々な奇妙な偶然が重なり(もともと奇妙なストーリーの漫画なのだが)次第に小島多恵に心を開いていくようになる。


その変遷の様が私には非常にリアルに感じられ、深く共感するものがあった。それと連動するように、読者である私自身も強く小島多恵に惹かれるようになった。


   
   ↑表情のかわいさで勝負している様がすごく良く伝わってくる。

そこにはおそらく、私が女性に求める理想のようなものが凝集されているのかもしれない。あるいは少年マンガのヒロインであるわけだから、それはおそらく多くの男性が女性に理想として求めるものの集約なのであろう。


そこで私は小島多恵が登場する巻を購入し、手近な友人などに読んでみるよう薦めてみた。ところがほとんどの友人は小島多恵に興味を示さなかった。私にはそれが理解できない。


何はともあれ、いかに理想の集約であろうと小島多恵はマンガのキャラクターであり実在はしないわけで、実際に恋愛の対象にしたり交際することはできない。どこかに小島多恵のような女性はいないものか・・・・