合唱とオペラの練習の違いについて


この、「その気持ちがわかってくる」という状態は、合唱の練習ではあまり発生しないように思う。「楽譜と指揮者の指導はすべて正しい」という前提に基づいて練習する習慣が根付いているからだろうか。もちろん合唱練習をする上では、楽譜と指揮者を無視することはありえないのだが、疑問を持たない、その結果考えないというのはちょっと違うように思う。


もちろん、純粋な音楽演奏である合唱と、あくまで「劇」であるオペラを同列に比較することはあまり合理的ではないが、どこかでお互いに通じる問題であるように思う。それはつまり、合唱人的感覚でみると「オペラのコーラスは声がばらばら、そろっていない、ハモっていない」と感じてしまうのと同じことなのだろう。


2つの領域を行き来することで、お互いのジャンルの長所短所・また特徴や意義への理解が深まり、その結果本質が見えてくるという意味において、私はとても良い体験をしていると思う。最大の問題は、その結果私自身どれだけ歌えるようになったのか?ということに帰結するわけだが(笑)