椿姫8 ステリハについて


本番を一週間後に控えて、本番のホールでの練習があった。ここまでの練習で私も少しはオペラに慣れてきて、マルケーゼは大方歌えるようになった。ここ1,2ヶ月はむしろアンダーのジェルモンを歌わせていただくことが大いに練習になった。


ジェルモンといっても有名な「プロヴァンスの海と陸」は練習していない。アンダーなのでアリアは飛ばすのだ。重唱部分を重点的に歌わせていただいた。結果、「プロヴァンスの海と陸以外は一通りさらいました」という、極めて奇妙な状態になったが、それもまたよし。


大半の相方をされるヴィオレッタの方はかなりの実力の持ち主で、音大卒→留学→ほぼプロとして活動されている方でたった。そんな方の練習相手をさせていただくのは大変おこがましいことではあるのだが、私個人にとってはこんなに良い練習はない。


本役のジェルモンの方は相変わらずお忙しいようで、ステリハの二重唱まで本番会場で歌わせていただいてしまった。小さなホールでリハーサルとはいえ、本番会場でプロの方と二重唱を歌わせていただくなんて感激だ!あまり響くホールでもなかったので、自分の声がどのくらい届かないものなのかが良く実感できたと思う。


今回の椿姫は自分にとって,

1、キャストの多くの部分を歌わせていただいたこと
2、丁寧に辛抱強く教えてくれる指導者に恵まれたこと
3、自分の実力をはるかに凌駕する方々と歌わせていただいたこと

この3点が非常に有益というか、まさに得がたい経験であったように思う。合唱人にとってはなかなか入り込みにくいオペラの世界に非常に恵まれた形で参加できたことは、もはや運命としか言いようが無い。このままオペラを続けるにせよ、合唱に復帰するにせよ、今後の自分の音楽家としての人生に大きな影響を与えたことは間違いないだろう。