椿姫9 本番について


足掛け5ヶ月練習してきた椿姫もいよいよ本番である。私としては練習で散々歌ってきたジェルモンはもちろん歌わず、マルケーゼだけを歌えばよいので、実は練習やステリハより本番のほうが楽だ。非常に余裕をもって本番を迎えることができたように思う。


合唱の本番の場合、本番の日まで全曲通す機会が無かったり、練習より本番当日のほうが歌う時間が長かったりすることもざらで、本番は消化不良になることもしばしばだ。それに比し今回は非常に良い形で本番を迎えることができた。あたりまえのことだが、たくさん練習した上で本番に臨むのは気分が良い。


前日もステリハで舞台の仕込みはほぼ済んでいたため、当日集合するなりすぐに場当たりを始められた。合唱と違い、舞台上の場当たりに時間をかけるあたりもオペラならでは。


一通りの練習が終わってから、着替えとメイクの時間に。数年ぶりにどうらんを塗り、眉毛や口ひげを書いたりするのもなかなか楽しい。メイクや衣装は全体のテンションにほどよい影響を与えるように思う。結果、本番は練習に比しなかなか良い感じで熱のこもった演奏になったように思う。


本番は全体的には良かったように思う。残念だったのは、アルフレードのMんさんが若干体調をわるくしてしまい、二幕冒頭のアリアの二番をカットせざるを得なかったことか。


練習にはほとんどこれなかった本役のジェルモンさんもこの日はフル参加だった。この人も若干調子が悪かったようだが、今回のキャストさんの中でも随一の実力と経験を有する方だけに、本番ではもっとも良い演奏と演技をされていた。やはりプロは違う・・・


そんなこんなであわただしく本番の一日は過ぎた。小さなアマチュア団体の端役とはいえ、自分にとっては始めてのキャスト出演であり、一生の記憶に残る本番だった。素晴らしい機会を下さった声楽研究会のみなさんや、お誘いいただいたピアニストの先生にはほんとうに感謝の念が絶えない。



↑本番のヴィオレッタさんとアルフレードさん。