人の内面的な暗さと外面的な明るさについて


しかしあれから10年経った今では、この曲の感情が少しリアルに理解できるような気がする。僕は今でも人よりはかなり我慢強く腹を立てない温厚なタイプだが、さすがに10代のころのような素直さや明るさは多少後退し、その分悔いや妬みや苛立ちといったマイナス感情が自分の中に恒常化しているのを感じる。


そう考えると僕のこの10年というのはあまり良い10年ではなかったのだろうか・・・と少し凹むが、まあ人並みの人生を歩んでいるということなのだろう。


人間の感情は明るくてプラス思考であるに越したことはないが、それだけでずっと生きていくことは難しい場合が多いように思うし、マイナス思考が結果的にプラスに働く場合もある。またただ幸せな毎日を過ごしている人の明るさと、いろいろな問題やマイナス思考を抱えている人の明るさとでは、なんと言うか奥行きが違うような気がする。(後者の方が価値があるように感じる。)


ミスチルの一般的に知られている曲(シングル曲など)は明るく前向きでポップな曲が多いが、アルバムを開いてみるとそれらの曲からは想像もつかないくらい暗くてダークな曲が多い。


そういった内面的な暗さを抱えているからこそ、逆に明るい曲を作ったときに説得力のある演奏ができるのかもしれない。そう考えると、年を取るにつれマイナス感情が増えていくのも悪くはないような気がする。もちろん限度はあるが。