本番の演奏への不安について


僕は実力と度胸が不足しているために本番は苦手なほうだ。しかも今回は演奏に不安がある。というのも曲の最後のほうで音楽が最後の最大の盛り上がりに入るところにバリトンメロディーの部分があるのだが、そこがEまであって上手く声が出る自信がない。


僕はここ最近発声を再調整しており(何をしているのかはまた別に書きます)いろいろな変化があるのだが、そのマイナス要素として以前よりも高音が全然響かなくなってしまっているのだ。以前はF,Gくらいまでは何とか中音域の響きから逸脱しないところでうたえていたのだが、今はDis,Eあたりから声がカスカスになってしまっている。(その分中・低音域は安定しているのだが。)


そんなわけで高いところは若干周りのメンバーに任せてしまったり、最悪捨ててしまっている場合もあるのだが、今回のEは音楽の流れ上絶対に引けないところにあるのだ。そのため調整中の発声をさらに微調整して何度も繰り返しこの部分を練習しているのだが、今日の当日練習でやっと最低限自分で許せる状態になりつつある、それも3回に1回くらいの成功率という状態である。


でももう本番なのだ。今の状態で自分にできるベストを尽くすしかない。


そして演奏が始まった。テンポがいつもより早いように感じる。指揮者の先生は本番心持早めるタイプなのだ。僕をはじめ若手の付き合いの長いメンバーは何の問題もないが、メンバーの中のおじ様方には若干きつかったかもしれない。演奏のテンション自体はとてもうまく盛り上がっていったが、一部に乱れや解れがあったことは否めない。しかしまあ、予想の範囲内。


問題のEは・・・僕自身の声としては響きはきちんとあがっていたと思うのだが、若干響きが遅れてしまった。観客席に直ちに届いたり、録音に残ったりするレベルではなかったと思うが、やはり技術や練習の不足を痛感せざるを得ない。う〜む。


自分たちの演奏が終わり、そのまま合同演奏へ。清水敬一先生指揮のもと、会場の全員で「聞こえる」を歌った。この曲は僕も本当に大好きで、合唱をはじめたころから歌っている本当に思い入れのある曲だ。きっとそう言う人は多いと思う。


だからこそ合同演奏ではなく実力のある団体にしっかり歌って欲しい・・という思いもあったが、合同演奏もなかなか良かったように思う。大人数でムリのある内容でも清水先生は全くひるまず会場のテンションをコントロールしていたと思う。大いに盛り上げ、それでいて暴走を最大限に抑え・・・合同演奏の指揮はかなり難しいと思うが(そもそも指揮を見る人がどれだけいるのか?ということもある)、会場の視線を引き付けるという意味でも清水先生はとてもうまく指揮されていたと思う。