他パートの演奏を聞いて音程を取る、ということについて    


日付が前後するが、男声の本番の翌日の29日に、久しぶりに行われたAの練習に参加してきた。Aの練習は4月初頭以来の約2ヶ月ぶりである。


この日は指揮者の先生がご不在であったため、団長のMさんが練習を仕切っていた。Mさんはかなり洗練されたテノールで、音楽的知識も大変豊富で、ひとをまとめるリーダーシップのようなものもありそれでいて穏やか(原則的に)な方だ。アマチュア合唱団はこういう人がいるかいないかで活動の質が大きく変わってくるように思う。


Aは今7月の市民合唱まつりに向けて木下牧子先生の「おんがく」、タリスの「o nata lux」、そしてディリアスの「TO BE SUNG OF A SUMMER NIGHT ON THE WATER」を歌っている。


「おんがく」は2月のコンクールに出場した際にRでも歌ったが、Aで演奏しているとまったく別の曲のように感じる。Rではメンバーを2分して演奏したこともあり、各パートともどこか芯がボケているようなあいまいな演奏であったが、Aの場合4つのパートにそれぞれしっかりとした芯が入っているようで非常に安定感がある。


僕はベースパートを歌っているので、基本的には外声らしく堅く音程を取っていけば良いのだが、やはり男声でバリトンを歌っていたときの癖でかなり回りの音程を聞いてしまう傾向がある。そのため外声を歌っているときでも他パートの音程がぶれると非常に歌いにくく感じる場合が多い。


その点Aのメンバーはかなり安定感があり、僕としてはどこをどう歌えばいいか非常につかみやすく楽だ。反面、演奏の中で要求される音が明確であるため正確性が追求され、技術的には難しい。でも良い練習だ。


Rの時には悪く言えばあいまいな音程で歌い捨てていたような部分でも、Aの場合全体が整っているためベースのちょっとした乱れが目立ってしまう。Rのときにはそのまま流してしまっていたような部分にも厳しい突っ込みが入り繰り返し練習したりした。こういう練習はいい。