シスの復讐について

yamada1642005-08-12



WARNING!!シスの復讐についての全面的なネタバレ記事です。これから見よう!と思っている人は読まないほうがいいと思います。以下の文章を読んだことにより、あなたが「シスの復讐」を見ることで得るはずだった喜びが損なわれたとしても、当方は一切責任を負うことはできません。



スターウォーズ エピソードIII シスの復讐」を見た。僕はスターウォーズがかなり好きで、エピソードI、エピソードIIとも劇場で見ている。旧三部作はこどものころどれかひとつだけ劇場で見た。(たぶんエピソードI)


エピソードI、IIとも、友人のSTRと見に行っていたので、今回も当然のように彼と見に行った。本来であれば封切後すぐに見に行くのだが、今回は僕の診断士試験の都合上少し待ってもらった。


そして本日である。アナキン・スカイウォーカーにベイダーのマスクがかぶされ、ばらばらだったパズルの最後のピースがはめられた。


この映画の難しいところは、特にエピソードIIIについては劇場に行く前からその結末を知っているということだ。(旧三部作を見ていれば、その始まりがエピソードIIIの最後なので。)


そうなるとすでに明らかになっているストーリーの大筋がどうこうというよりも、その表現や展開の仕方の方が見所になる。圧倒的なプレッシャーの中で、ジョージ・ルーカスはとても良い仕事をしたと思う。


僕にとってスターウォーズが特別な映画である一番の理由は、その映像美とそこから連想される世界観だおと思う。今回もいくつもの星が物語り中に登場するが、それぞれの星の個性が非常に区別されて表現されており、そのどれもが美しい。そしてそこに住む人々のデザインも非常に個性的だ。この「スターウォーズの世界」を味わうだけでも、この映画を見る価値があると思う。


内容についていうと、意図を持って製作されており、それが良く表現されていたと思う。しかし何点か不満が残った。ひとつは、アナキンの善から悪への転換に若干無理を感じたというところだが、パンフレットを読むとどうやらこれはジョージ・ルーカスの意図によったものらしい。


もうひとつは、暗黒面へ転落したあとのアナキンの強さの絶対性が表現しきれていなかったことだ。作中でパルパティーンが「アナキンの力は自分やヨーダより強い」という場面があるが、旧三部作を見ている立場からすると「そうなの?」という印象が残ってしまう。


まして、最後の場面では結局オビワン-ケノービに敗北してしまう。話の流れ上、ここはオビワンを圧倒して欲しかった。僕の好みのストーリー展開としては、オビワンやパルパティーンヨーダさえも凌駕し、誰にも止められなくなったアナキンを、パドメが止めるとか、その犠牲になってパドメが死んでしまうとか、あるいはパドメを殺しても子供を殺すことはできなくて、その隙をパルパディーンにつかれ力を奪われてしまうとか、封印・制御されてしまう・・・・といった展開のほうが好きだな〜と思った。


しかし、現実の作品のストーリーのほうがある意味アナキンの「所詮超人ではない」=「確かに強いが、無敵ではない」という印象は伝わる。常人だから、暗黒面に堕ちきれないし、子供への愛情を完全に断ち切ることもできない、といった雰囲気になる。ただ、この流れだとアナキンはほんとうに悲劇の主人公になっており、あまりにも救いがない。劇場で放映が終了するなりなんとも釈然としない気持ちになった。


僕が適当に考えたプロットの場合だと、結局負けてパルパティーンの操り人形になってしまうものの、その結果は「パドメや子供への愛情を断ち切れなかった」という自分の心理に起因するものなので、僕はそこまでの悲劇性は感じない。でもこれだと暗黒面に堕ちきったことにならないのか・・・いやでもそれならもっとアナキンの絶対的な強さを見せて欲しかったし、オビワンなんぞには負けて欲しくなかった。でもそうすると・・・以下無限ループ。