引出物の意味について


人によってまさに考えは様々であろうが、私にとって引出物(を差し上げる)とは次のような意味であるということにまとまった。


それは、「私達の結婚を良いものと感じていただく」そして「(既婚の方は)つられて自分達の結婚も良いものと改めて感じていただく」「(未婚の方は)結婚はいいな、自分もしたいなと感じていただく」ということだ。


引出物とは、まず「お越しいただいたお客様に感謝の意を表する」ものである。これは当然。では、何に感謝するのだろう?休みの日にわざわざ街中まで出てきていただいたご足労に対してだろうか?


いや、多分違うだろう。結婚式にお越しいただくお客様は、長年に渡り親しくお付き合いさせていただいている方や、お世話になっている方々ばかりだ。その方々のおかげで今の自分達があり結婚に至っているわけだから、披露宴も引出物も、これまでの自分達との関係全てに対して感謝するものだと思う。


そして「お客様によろこんでいただく」ものである。ここが実は難しく、人により考えが一番大きく異なるところだろう。


「よろこぶ」という言葉は辞書を引けば意味は書いてあるが、実際には「よろこぶ」この一言だけでは何もあらわしていないに等しい部分がある。つまり「何を」「どのように」よろこんでいるかが重要なのであり、ここが見えないと真に「人によろこんでいただく」ことは難しい。


引出物を受け取って喜ぶ、というのは、「非常に高価で」「実用性が高く」「ちょうど欲しかった」ものをもらうことの喜びであろうか?これもおそらく違うであろう。むしろそいういったレベルとはまた違った、「結婚」や「新生活」を感じさせるもの、そこから独特のハッピーなムードを感じていただくちょっとした喜びこそ大事であるように思う。



このような考えから、私はあえて、「新婚生活を連想させるもの」を選ぶ事にした。モノとしてはもちろんペアである。自宅に持ち帰っていただき、お客様ご自身に自分達が新婚だったときのことを思い出してほしいし、未婚の方には「自分も結婚したいな」と思って欲しい。そしてできれば、少し幸せな気分になってほしい。


ここまで考えてみて、これは何も引出物に限らず結婚式や披露宴というもの自体の目的でもあるのだと気づく。