椿姫6  立ち稽古について

yamada1642006-02-01



椿姫の練習は一月から立ち稽古に入った。マニュアル人間である私としては、立ち位置や動き、演技などは細かく定義され、指揮者・演出指導担当の方々の指示に従い舞台を作っていくものかと思っていたが、実際にはかなり指示はアバウトで、一人一人のキャストの技量と裁量に任されている部分がかなり多く、面食らった。


これはつまり、キャストの一人一人が劇全体と今回の公演のスタイルを一定程度理解し、自らの演出を決める必要があるということだ。その前提条件として、そもそも劇全体を筋道だって把握している必要があるのはいうまでもない。


このようにキャストにある程度任せて演出を進めていくという方法はオペラ業界では結構普通らしく、周りのキャストの皆さんはほんのちょっとの指示を何倍にも膨らませて自ら演出・演技しているが、もちろん私はそうはいかない。


私と同じく合唱畑?から今回のオペラに参加している、アンニーナ役のIKさんもこの問題には面食らったようで、(彼女はきちんとした音大を出ている、歌い手としては大変デキル方なのだが、)やはり私同様練習の進行を滞らせたりしていた。


長年歌をやっているといっても、合唱界だけにずっといると「指揮者・楽譜の指示に忠実に従う」という大原則が身にしみすぎてしまい、自分から考えたり解釈したりする習慣や能力が衰えてしまうように思う。結果、指揮者の指示には忠実に従うもののその中身や意味を吟味しなくなり、ただ機械的に音を作っているだけのようになってしまう場合がある。


この問題は以前から意識しており、それを打破する意味も含めて有機Gなどの指揮者ナシの活動をしたりしていたのだが、今回椿姫の公演に参加することであらためてこの問題を強く実感させられた。ていうか、そんなに自分で考えて動けといわれても、できね〜