「奥様女中」について
◎昨日の記事の続きです。
録画も観たことが無いので、音楽も舞台も完全にはじめて観る事になる。対訳を読んでいたことと、公演での字幕がとても見やすく映されており、また内容もとても読みやすい訳であったため、とてもすんなりと理解することができた。
音楽としてはモーツァルトの影響を受けているように感じる部分があったが、実際には作曲者はモーツァルト以前の人である。私レベルでは詳しいことはよくはわからないが、どうやら天才のようだ。小ぶりのホールで伴奏もピアノだけであったが、演奏が良かったこともあり音楽としてはとても楽しめた。
それ以上のこの公演ですばらしかったのは演出というか、演技だった。登場人物は3人しかいない演目だが、この三人が動く、動く。原則1フレーズに1アクションあるいはそれ以上?それでいて無駄な動きはほとんど無い。とてもリズミカルかつコミカルに仕上がっていて、観客を飽きさせない。非常に計算された演出だったと思う。実演者のお三方もものすごい練習したのだと思う。すごい。
しかも配役3人のうち1人は黙役なので、演奏はほぼ2人の2重唱とアリアのみで進んでいくのだ。あれだけ歌い続けながらあれだけ動けるというのは、いったいどういう練習をすればできるようになるのだろうか・・・ちいさな舞台での公演のため、大道具など舞台の視覚的な印象はやはりこじんまりとしているわけだが、そういった部分でのスケールの小ささを全く感じさせない動きっぷりだった。
動きが多い分、若干声が不安定になる部分があったのが残念だが、ホールのキャパシティからすれば充分聞こえるわけで、そこまで含めて計算された演出だったのかもしれない。初めて観る演目であるにもかかわらずまったく退屈せず一気に楽しみとおして観ることができた。
〜つづく〜