オーディションに向けての練習について

yamada1642006-07-20



去る7月9日に、前回椿姫で参加させていただいた団体の次回公演のオーディションがあった。次回公演の演目は「カルメン」であり、自分の勉強目的と男声ソリストの慢性的な不足という実情を踏まえオーディションに参加した。


私はバリトンなので役はエスカミーリョとモラレス、しいて言えばスニガぐらいだろうが、とても主役級を歌う実力も経験もないため、出番の一番少ないモラレス希望ということでエントリーした。


とはいっても原語上演なので、オーディションもフランス語のアリアを歌うべきであり、(レギュレーションはなるべくフランス語の任意のアリア一曲であった)せっかくなのでエスカミーリョのクプレ(トレアドール闘牛士の歌)を練習して歌うことにした。


フランス語は過去の合唱経験で僅かに歌ったことがあるくらいできちんと勉強したことも無いため、読むことや暗譜に非常に苦労した。幸い購入したヴォーカルスコアには発音記号が全て印字されていたため最低限は読めたと思うが、それが無かったらアウトであった。


なれない原語であるため暗譜だけで2ヶ月くらいかかった。その後、練習スタジオや仕事帰りのカラオケなどで練習。難しい。とくにサビのFで伸ばしてそのままノーブレスで次のフレーズにつなげるところが難しい。合唱的な発声というよりも、ソリストとしての響きと存在感のある声を意識して歌っていると、どうしてもがなるような声になってしまう。


とくに高音部がひどいもので、半ばやけくそ的な声になってしまう。私もそれほど専門的に発声や声楽の研鑚を積んでいるわけではなく、その段階でトレアドールを歌うこと自体に無理があるわけだが・・・・


少しでもギャップを埋めるために、コンコーネやイタリア古典歌曲集などもちょっと練習したりした。しかし、いかんせん練習時間が足りない。サラリーマンをやりながら声を作っていくのは非常に難しい。毎日、あるいは週3,4日でも練習できれば少しはましになると思うのだが・・・・


オーディションの当日までに一人前に歌えるようになることは不可能なので(そんなことができたらそれこそ天才だ)、あせらず段階をおってマイペースで練習することを心がける。

(つづく)

2006年7月ころの生活について


結婚式場を申し込んでしまったために、必然的にその準備に追われることに。主として家族・親戚を中心に、ごく親しい間柄の人をお呼びするような形での式をイメージしているため、規模としてはそれほど大きくは無い。が、準備期間が極めて短い。


こうして振り返ってみると(この日記を書いているのは実際には2007年11月)ものすごく急ピッチで話が進んでいるようにみえるが、実際にそうであった。当初のイメージでは、2007年3月に予定されている「カルメン」の公演が終わってから式の準備を進めようか・・・という雰囲気だったのだが、いろいろな事情により早まってしまった。


早まった理由はいくつかある。来年3月以降になればまた次の年の演目があるだとか、奥さんの妹さんが結婚するので早く結婚したいとか、結婚したら私は必ず子供が欲しいと考えているが、奥さんの年齢を考えると急いだほうがよいとか、私の父の健康上の問題とか・・・特に後の2つが主要因であったように思う。


加えて私もファミレスのメニューなどどうでも良いことは比較的悩むほうだが、進学とか就職とか重要で大きな選択については比較的決断が早いほうであるということもあるだろう。なぜそうなのか?ということについては非常に複雑な思考があるのだが、長いのでここでは割愛。


短期間での準備とはいえ、式をするのであればなるべくきちんとしたい。でないとせっかく集まってくれる皆さんに失礼なような気がする。奥さんは衣装を選んだり、メイクを考えたりと忙しいので、私は招待状だとか見積もり計算とか物資手配とか、BGMのCD作成とか、現実的な準備をひたすら進める。


加えて当然だが、結婚するとなれば新生活の準備も必要なわけで、とるもとりあえず新居探しも平行して行っている。あわただしくも楽しいうちに7、8月は瞬く間に過ぎていった。

結婚式場の申し込みについて


食事の内容もよくムードもよく価格も良いということで、「高輪プリンツヒェンガルテン」で結婚式を申し込んだ。お招きできるお客様数が20人〜40人である、とうい規模の問題さえクリアできれば、非常にオススメできる式場だと思う。


式場と披露宴開場となるレストランの雰囲気もよく、結婚式についてどのような雰囲気にしたいかというイメージやアイディアも湧いてくる。一般的に男性は結婚式自体についてあまり頓着しない場合もあるようだが、私の場合は音楽の演奏会などを運営してきたこともあり、イベントというといろいろ考えるのが楽しくなってしまうほうだ。


もっともプラン申し込み上の都合で結婚式まで2ヶ月足らずという短期間になってしまった。季節的には申し分ないので、短い時間でできる限りの準備をすることになった。

母の還暦について

yamada1642006-07-08



回想録続き。先日のブログに書いた「高輪プリンツヒェンガルテン」で、料理の試食を兼ねて実の母の還暦を祝うことにした。現在別居している兄も呼んだものの、実の父が具合を悪くし一時的に入院したため欠席することに。


料理は非常に美味しかった。もっと際限なく高いレストランにいけばもっと豪華なものもあるだろうが、この価格でこの内容はありえない!店のムードも個人的には非常に気に入った。普通にデートなどで行ってもとてもよさそうなところである。

高輪プリンツヒェン・ガルテンについて

yamada1642006-07-01



回想録つづき。先述のとおり2006年6月は漠然と結婚式場を探したりしていたわけだが、そのような面白い話を私の実の母は大好きであるため、私達とは別にインターネットで式場を調べたり、ひとにいろいろと聴いたり独自の調査を進めていた。


そんな中,私の実の母が大変良い!というオススメの物件があるというので観にいくことにした。 http://www.p-garten.co.jp/index2.htmlというレストラン・結婚式場で、高輪の閑静な住宅街にあり、ドイツ風のおしゃれな洋館に小ぶりながらもドイツの町並みを再現したようなレストランにチャペルが併設されているという。


式場見学自体が面白いということもあり、また今まで見た式場はどれも帯に短したすきに長しといった感もあり、つまり私達はウェスティンやメリディアンなどの今をときめく大型高級シティホテルで派手婚をする気は毛頭無いのだが、それでもこじんまりとしながらも上品でセンスのよい結婚式をイメージしていたのだが、なかなかそう都合の良いところはないわけである。そんなわけで高輪にもごく気軽に様子を観にいくことにした。

事前情報の通り雰囲気もとてもよく、また結婚式の料金体系の説明を受けてもなかなか良い。20人で総額60万円のプランもあり、規模も価格も私達の想定にかなり近い。そして何より式場の雰囲気が抜群に良い。この場所、この内容でこの価格はかなり破格なのでは・・・と思われる。


聞けばこのレストラン・式場のオーナーはそもそも実業家であり音楽家であるという。もともとアマチュアオーボエか何かを吹いていたらしいが、趣味が高じて指揮もするようになり、はては欧州の国立楽団を指揮した経験もあるとか。なんというか、明らかに「趣味が高じて」というレベルを逸脱している。


その話からすればおそらくこのレストランもバリバリの営利目的というよりは、本業で得た資本を利益志向ではなく有効活用しているということなのだろうか。とにかく私たちがこれまで見てきた式場などに比べればコストパフォーマンスがとても高いように思われ、また雰囲気も私達の好みにとてもぴったりと合っている。


とはいえ即断するわけにも行かず、またお客様をもてなす上では料理の味もたいへん重視されるところであるため、この日はプランの見積もりをいただき、また数日後にディナーの予約をしてこの店を去った。


昼の時間に訪れたので、本来であればランチを・・・と思ったのだが、この日はどうやら別の予定が入っているようでランチはできなかったのだ。残念。

「結婚手形」について

yamada1642006-06-19



◎昨日、一昨日の記事の続きです。


小一時間ほどで「奥様女中」が終演し、10分のインターバルのあと「結婚手形」が始まる。「奥様女中」が配役3人であるのに対して,こちらは7人。声種もアルト以外はそろっており、オペラらしい賑やかさが引き立っている。


この団体は演出、特に出演者の動きについてとても丁寧に仕事がなされており、また全体のバランスをとるような計算もきちんとなされているように思う。すぐれた演出家がついているのだと思われる。同じ舞台であるために大道具や舞台設備は前の演目とほとんど変わらずなのだが、そういった点で引け目を全く感じさせない。オペラ・ブッファの真髄を観客に伝えるということにおいては、こと優れた演奏と演技があれば、それ以上の大道具や舞台設備はかならずしも必要ではないということを感じさせられる。


奥様女中」の後に聞くとやはり華やかな印象が強い。歌う人が3倍以上居るのであたりまえだが、サウンドがとても分厚く心地よく聞こえる。小さい公演ながら歌い手の方々はほんとうに良いメンバーがそろっていると思う。そして全体としてとてもよくまとまっている。


特にトビアとスルックの二重唱などは、声も素晴らしく演技も素晴らしく鳥肌ものだった。よほど気の合う方同士なのか、アンサンブル感覚(音楽的な意味においても、演技的な意味においても)が優れた方どうしなのか、日本人でもこんなにうまいことできるんだな〜と感じ、とても良い影響をいただいた思う。


先々週のばらの騎士に比べればもちろん規模的には小さい舞台だが、近くで聞けたということ、またとても丁寧に作られていたということで、ある意味ばらの騎士よりも楽しめたかもしれない。自分の目指したい方向性としては、やはりこういう舞台なのではないだろうか・・・と感じた。(そもそも私レベルでチューリッヒ歌劇場を目指す、ということ自体ありえないのだが 笑)


〜おわり〜

「奥様女中」について

yamada1642006-06-18



◎昨日の記事の続きです。


録画も観たことが無いので、音楽も舞台も完全にはじめて観る事になる。対訳を読んでいたことと、公演での字幕がとても見やすく映されており、また内容もとても読みやすい訳であったため、とてもすんなりと理解することができた。


音楽としてはモーツァルトの影響を受けているように感じる部分があったが、実際には作曲者はモーツァルト以前の人である。私レベルでは詳しいことはよくはわからないが、どうやら天才のようだ。小ぶりのホールで伴奏もピアノだけであったが、演奏が良かったこともあり音楽としてはとても楽しめた。


それ以上のこの公演ですばらしかったのは演出というか、演技だった。登場人物は3人しかいない演目だが、この三人が動く、動く。原則1フレーズに1アクションあるいはそれ以上?それでいて無駄な動きはほとんど無い。とてもリズミカルかつコミカルに仕上がっていて、観客を飽きさせない。非常に計算された演出だったと思う。実演者のお三方もものすごい練習したのだと思う。すごい。


しかも配役3人のうち1人は黙役なので、演奏はほぼ2人の2重唱とアリアのみで進んでいくのだ。あれだけ歌い続けながらあれだけ動けるというのは、いったいどういう練習をすればできるようになるのだろうか・・・ちいさな舞台での公演のため、大道具など舞台の視覚的な印象はやはりこじんまりとしているわけだが、そういった部分でのスケールの小ささを全く感じさせない動きっぷりだった。


動きが多い分、若干声が不安定になる部分があったのが残念だが、ホールのキャパシティからすれば充分聞こえるわけで、そこまで含めて計算された演出だったのかもしれない。初めて観る演目であるにもかかわらずまったく退屈せず一気に楽しみとおして観ることができた。


〜つづく〜